2015年4月29日水曜日

(40)組み合わせ表



2008.11.4 08:09 


 プロ野球のペナントレースで、どのチームにも日程的に有利、不利のない対戦表を作成するのは意外と難しいものです。しかし、数学の理論を駆使すれば、首尾良く対戦表をつくれます。そのような2例を紹介しましょう。
 将棋部の6人の生徒が5日間にわたって、将棋の対戦を行うとしましょう。どの生徒も各日1人の相手を選び、対戦します。5日間、どの生徒も自分以外のすべての部員と対戦する組み合わせ表を作るには次のようにすればよいのです。
 各日、6人の生徒が2人ずつペアを組み、3組に分かれて対戦することになります。そこで、6人の生徒に1~6まで番号を振り分け、おのおのを白点で表し、円周の5等分点にそれぞれ1~5を、また、中心を6とします。次に、対戦する2人を表す点同士を線分で結びます。図1(a)は、1と6、2と5、3と4がペアを組んだことを意味します。例えば、この組み合わせを1日目の対戦表とし、2日目は、1日目の対戦表を1/5周だけ回転させます=図1(b)。3回目以降も同様に前日の対戦表を1/5周だけ回転すれば、ニーズをみたす5日間の対戦表を作ることができます=表。
次に、19世紀半ばに英国の数学者、カークマンが提起した有名な問題について考えてみましょう。
 「あるクラスに15人の生徒がいる。このクラスは、毎日、3人ずつで1組の班を作り、全員で野外の観察に出かける。以後7日間、毎日、一度同じ班になったどの2人も二度と同じ班に入らないように班分けするには、どのようにしたらよいか」
 先ほどと同様に、15人の生徒をそれぞれ点で表し、図2のように二重の同心円周上にそれぞれ7点ずつ、中心(15)に1点、合計15点を配置します。次に、15点を4個の三角形と1つの3点から成る線分に分割します。このように分割すると、1/7周ずつ回転しても、元の位置に戻るまで同じ線分が現れることはありません。よって、図2の同じ三角形または線分に属する3点を1班とみなすことにより、15人の1日分の班分けができ、さらに、この図を1/7周ずつ回転することにより、7日分の班分けが求められます。(東海大教育開発研究所長)

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